ABJは講談社や小学館、LINEヤフーなど100社・団体で構成。調査は「ただ読み」による被害の実態を解明するため、ABJが把握する海賊版サイトのうち日本の出版物(漫画、小説など)を掲載している913サイトを対象に初めて行われた。6月の国別のアクセス数や平均滞在時間などを調べた。
【一覧】国別のただ読み額
その結果、123か国・地域から計28億回のアクセスがあり、総滞在時間は7億時間に上った。30分間滞在するとコミックス(単行本)1冊分(500円)が読まれたとみなして試算した「ただ読み」の被害額は7048億円(14億冊分)。年換算で8・5兆円に達し、昨年1年間の日本のコミック市場(販売額7043億円、出版科学研究所調べ)の12倍に相当する。
6月分の国別ではインドネシアが923億円で最も多く、日本834億円、米国791億円と続く。この3か国で総被害額の36%に上った。
ABJによると、アジアや米国では日本の漫画が幅広い年代から人気を集めていることが、「ただ読み」にもつながっているという。日本では海賊版サイトの摘発が進む一方、規制が不十分な国もあり、日本から大量にアクセスされている。
サイトの使用言語は英語が半数を占め、その他は日本語、中国語、ベトナム語、スペイン語、ロシア語の順で多かった。
ABJの伊東敦・広報部会長(集英社編集総務部参与)は「世界中で『ただ読み』されており、被害額も想像以上で深刻な事態だ。被害を少しでも減らせるよう、啓発活動などを強化していく」としている。
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Source: 超マンガ速報